NGO SESCO 論考 NO.37号 日記 私の五月

NGO SESCO 論考 NO.37号 日記 私の五月

 ―  京都 湯河原 東京 大阪 ―

 昨年11月の論考NO.31号に外出録(京都 熱海 下田 葉山)を記載した。政府は、この5月新型コロナウイルスの感染症法上の位置付が「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。社会は「平時」に、風薫る5月の出来事を記録する。

  • 1日(月)デニス・モリス氏に会う

 午前中、京都精華大学前学長ウスビ・サコ先生と久しぶりに情報室で談笑した。午後は、京都国際写真展(KYOTOGRAPHIE International photography festival)が2023.4.15 ~5.14 100カ所以上の会場で開催されており、「世界倉庫」会場へデニス・モリス(Dennis Morris)を観に立ち寄った。ボブ・マリ―、セックス・ピストルズなど名だたるミュージシャンのポートレート撮影で有名なジャマイカ系イギリス人写真家。今回はイギリスに住む黒人の1960 ~ 70年代の日常を捉えたシリーズや、ポートレートの代表作が並べられた。運よくご本人にお会いすることが出来、短い時間ではあったが会話を交わせた。デニス・モリス氏は1960年生まれ、現在はロンドンとロサンゼルスを往来し、京都来日4回目初の個展とのこと。著書・写真詩集(HeHe)『Colored Black』の書き出しは、「物事はそう簡単なもんじゃない。そうだと思わないか。『黒か白か』― 答えはわかっているって教室で手をあげた瞬間から、戦いははじまっていた。<私はここにいる。何者かになりたい>って主張をはじめる時ってことだけど、『何者かになりたい』って声を上げるきっかけが、私の場合はカメラだった。写真に出会ってから自分自身というものをみつけることができたんだ。自信もついたし、なんだかいい感じだった。自分が満たされていることがわかったし、セント・マークス教会のピーターソン氏も理解してくれていた。教会の少年聖歌隊のなかに写真部を創設したのが彼で、私はその写真部のひとりだった。」若き日の鮮明な意思が伝わる。

  • 3日(日)オペラ「槍ヶ岳」鑑賞

 中学入学以来68年間付き合う親友岡田征士郎君が台本・演出する室内オペラ「槍ヶ岳」全幕初演の招待、兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院小ホールへ行く。彼は「神戸波の会」会長を務め、21年にはオペラ「プラハ 夏の日」雑誌記者として小生名を登場させた。

  • 8日(月)第15回 西川徳三個展 於ギャラリー香

 作品は、北条石仏や円空仏、大和路、ヨーロッパの風景画に加え、陶板や花器の陶芸品、本の装幀まで60年間の創作活動のまとめである。先生とは城南学園勤務時代、学生の作品展や新設食堂に掛ける絵画選別などご一緒した事が思い出される。

  • 11日(木)12日(金)湯河原温泉 ニューウェルシティ湯河原 泊

 万葉集に謡われた湯河原の名湯、露天風呂「いずみの湯」。「足柄の土肥の河内に出づる湯のよにもたよらにころが言はなくに」。万葉公園へ足を延ばせば万葉植物が植採され、滝がふたつ、霊験灼なる湯権現熊野神社、国木田独歩歌碑などが散見される。帰り千歳川沿い落合橋のたもとにある「ビールスタンドかどや」を訪ねる。グラス4種2000円試し飲み。マスター相原幸展典氏(演出、脚本、俳優、演技トレーナー、梅光学院大学文学部特任教授)は多才な人。一期一会を尊ぶ双方。話題満載一挙に湯河原通? ディナーはフランス料理「カランク」美味。

  • 13日(土)第60回日本アフリカ学術会議に参加

 幕張国際研修センター 東都大学。事務局報告によれば参加280名。筆者はフォーラム3「西アフリカのライシテ研究の可能性と課題」「西アフリカのライシテ研究の射程」「マリにおける家族法改正をめぐる議論とライシテ」「バムン王国におけるライシテと宗教性」「アフリカの旧フランス植民地と宗教性の関係を探る―マリとマダガスカルの事例研究から」「『教団共和国セネガル』を再考する―アフリカ社会主義からネオリベラリズムとイスラームポピュリズムへの60年」京都精華大学チームを聴講した。国民国家において保障されるべき宗教から自立した世俗世界。興味深い。
夜は孫(20歳)と帝国ホテル・オールドインペリアルバー、Tanqueray Tonic / Salty Dog。

  • 14日(日) 坂本周三君と65年振り

 市岡高校3年同じクラスの坂本君(野球部・投手)に東京市岡会を通じて65年振り。新宿・ミュンヘンにてビールでランチ。この間歩んできた人生を語り合う。
坂本: 早稲田 早慶戦 熊谷組 自営独立 アメリカ遠征 ユニチカバレーボール・小島監督 高校野球部監督 泥酔院樽枕 ・・
深尾: 関学 ニチボー(現ユニチカ) ナイジェリア・デユッセルドルフ駐在 大学教員 アフリカ研究 フィリピン出前授業 居酒屋巡り ・・

  • 17日(水)竹林館に寄る

 弊著『私のアフリカ、私の旅』『人と地球をたずねて』を出版した竹林館へ。出版をきっかけに季刊総合詩誌『PO』の会員になり、詩作は未だだが特集・紀行・随筆の投稿を継続。時々竹林館を訪ね、社主や編集長と雑談するのは楽しみである。が、当日は『PO』189号発送準備中3分で失礼した。時間に迫られ夢中の作業姿は感動的。

  • 23日(火)ロバート・D・エルドリッヂ氏インタビュー 

 インターコンチネンタルホテル大阪20F「3―60」のラウンジにて国際政治学者エルドリッヂさんと対談。4月の統一地方選挙中、南千里駅で姪ごさんの市議選挙立候補応援ビラくばりの折、言葉を交わした。長年「虎ノ門ニュース」で拝視聴していて著書も読んでいた。話題に共通項が多く面談したいと申し出て実現したのが今回のインタビューである。
 当日のインタビューは、G7広島サミット終了直後、この感想から始まった。次いで日本の安全保障、3つ目に教育問題について質問した。G7広島サミットでは、ウクライナ 核軍縮 経済安全保障 気候変動対策 食料安全保障など課題が論議された。エルドリッヂさんは、「日本でのG7サミットは、2000年7月沖縄サミットから地方開催の意義があり、今回の広島の原爆被災地から発信された政府のプロパガンダは日本人にとって関心が高かった。16ヵ国の参加は過去最大で成功だった。現況はアメリカの世界に対する影響力の低下が西側の一層の結束が求められる時代になっている。」筆者(深尾)の印象は、今回のG7サミットの成果を一言で云うと「ウクライナ・ゼレンスキー大統領の直接参加、被爆地広島会場(原爆資料館)全首脳が横並びで慰霊碑に献花した構図は、世界に強烈なインパクトを与えた」と高く評価する。日本外交の底上げをした。望めば課題も多いが先ずは実践躬行。
 次に日本の安全保障・台湾有事では、氏は「少子化、人口減少が日本の防衛に大きく影響を及ぼす。自衛官に投資をしてこなかった故に日本には戦える能力が低下している。中国は台湾を何時でも取り込む意志も能力もある。米国は石油不足で戦争になれば支援に限界がある。国際社会の多数の国々が台湾を独立国と認め国交樹立をすることが阻止に繋がる。」3つ目の日本の教育に必要なことは、「① 起業家精神が不足し、問題解決を自らするための教育を小学校から始める。② 日本は海洋国家、海の仕事を漁港で学び、大自然に向かう知識と実践を身に着ける。③ 愛国心の育成、自国を誇れる精神を養う。④地方創生・地域おこしの実践 」の4点を挙げる。「英語教育」や「九月入学」についても議論したが、エルドリッヂさんの教育観に注目したい。

  • 25日(木)6回目ワクチン予防接種 望月内科
  • 27日(土)令和5年度 市岡高校学校 同窓会理事会(10期代表幹事)
デニス・モリスと 2023.5
日本アフリカ学術会議 2023.5
権現熊野神社 2023.5
エルドリッヂ氏 2023.5

 2023.6.10
NGO SESCO 副理事長 深尾幸市

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