NGO SESCO 論考 NO.20号 ロンドンの思い出 ―ロンドンよもやま話―

NGO SESCO 論考 NO.20号 ロンドンの思い出
―ロンドンよもやま話―

 
年末に書斎を整理していて昔の海外駐在や旅行の折に活用した数多くの『地球の歩き方』が棚に溢れて床に積まれている。随分お世話になったものだ。その中に『ロンドンLONDON』もあり、懐かしく頁を繰った。つい幾つかのことを思い出したので振り返ってみる。


初めてロンドンを訪れたのは1979年2月国際本部に属しアフリカ3ヵ国(アルジェリア、ナイジェリア、コートジボアール)にある合弁会社6工場巡回訪問の経由時であった。地下鉄ピカデリーサーカス駅に近いThe Z Hotel Piccadilly(?) にチェックイン。夜は近隣のパブで地元労働者風の2~3人と盛り上がった体験は新鮮であった(現下のコロナ禍ではもう望めない?)。が、2月のロンドンの街は暗くて寒く憧れとはほど遠く期待外れだった。

テームズ河の船の遊覧も今一つ勢いがなくがっかりした。1980年10月からナイジェリア・カドナ駐在が決まり、再び9月のロンドンへ立ち寄った時は打って変わって素晴らしい天候に好感を持つ。以降毎年往復時には立ち寄りエンジョイした。加えて1984年11月からドイツ・デュッセルドルフに駐在し、出張・観光とロンドンへ出掛けることも多かった。

ロンドンの街の魅力

公園では:ハイド・パーク、リージェンツ・パーク、セント・ジェームス・パーク、グリーン・パーク。建物では:バッギンガム宮殿、国会議事堂、ビッグ・ベン、ウエストミンスター寺院、ロイヤル・アルバート・ホール、セント・ポール大聖堂、ロンドン塔。博物館では:大英博物館、ナショナル・ギャラリー、ヴィクトリア&アルバート博物館、トラファルガー広場。駅では:チャリング・クロス駅、ウオータールー駅、キングス・クロス駅。デパートでは:ハロッズ、フォートナム・メイソン、セルフリッジ、リバティ。で、例えば大英博物館について一言すれば膨大な考古学上の遺産が集められミイラなど圧巻。

ロゼッタ・ストーンとの初対面には満悦。しかし植民地時代に収奪した墳墓出土品、彫刻、装飾品など今や返還が求められている。歴史は歴史として尊重しつつ現代に相応しい調整が重要だろう。

パット・ショウ夫妻とアン・シェプター夫妻


1995年9月妻と英・独・チェコ旅行に出掛けた。ロンドンではナイジェリア時代に英会話を教えて貰ったPat Shaw夫人と夫(在 Salisbury)にテームズ川辺、レガッタのスタート地点のしゃれたレストランに招待された。Ann Shapter夫妻(在 Cheltenham)にはロンドンまで来て頂き市内のセルフリッジ百貨店のレストランでランチをした。共に旧交を温め話題は尽きなかった。今もクリスマスカードの交換は続いている。

レバノン人 タヒール家との交流


ナイジェリア・アレワ紡績駐在時代、北部カノーにG.Taher、 T.Taherの二人が居り、弟が商売・営業を担当し、兄がデザイナーでアフリカンプリントの取引をしていた。毎週のように工場へ商取引のためやって来て、兄は我が家で泊まる事も多かった。また、父親をはじめ彼らの休暇はロンドンで過ごすことが多く、ナイツブリッジ、ハロッズ百貨店に近い四階建てのマンションに住んでいた。ロンドンへ寄った折りには時々その一室に泊めて貰った。一度息子と一緒の時、長男はヘビメタ・マーキーへ。私はジャズライブへ出掛け
た。


お金持ちではあったが父親とサボイホテルの会員制バーへ案内され、自宅に帰ってから放浪の身(祖国は内戦と治安の悪化で生活するのが困難)故「我々は何処へ行ったらいいのだろうか」と寂しそうに問い掛けられ、返事が出来なかったことが想起される。駐在から帰国して数年後、兄も弟も来日して大阪の我が家にも訪ねて来たが現在は残念ながら音信不通。

シャーロックホームズ


高校時代にアーサー・コナン・ドイル、シャーロックホームズの作品『緋色の研究』『バスカヴィル家の犬』などに熱中した。ベーカリーストリート シャーロックホームズ館の見学はひときわ感興をもよおす一時でもあった。

夏目漱石 吉田健一

突然話は飛躍するが、夏目漱石は明治30年代33歳でロンドンへ留学した。この留学の後半はひどいノイローゼに悩まされた話は有名である。また、文芸評論家、翻訳者、小説家の吉田健一もロンドンの小学校に学びながら、後年ケンブリッジ大学へ留学した時「肩身の狭い」体験をした。が、シェイクスピアを始めヴァレリイ、サミエル・ジョンソン、エドガァ・アラン・ポ、ルイズ・キャロル、シャーロト・ブロンテなど多くの翻訳をして、話題は際限なく広がっていく。意気軒高。

最後に現下、ロンドンは新型コロナウイルス感染者が増加しロックダウンの状態である。重厚なロンドンの街並、歴史の重みを痛感させた街は続くのか。EUから離脱したイギリス、10 Downing Street 官邸からの世界への発信は期待出来るでしょうか。

 バッキンガム宮殿
ナイツブリッジ街
T.Taher
シャーロック・ホームズ パブ

引用・参考文献
『地球の歩き方 ロンドン』ダイヤモンド・ビッグ社 2020年2月
『地球の歩き方 aruco ロンドン』ダイヤモンド社 2013年11月
『知の散歩道』深尾幸市 国際印刷出版研究所 私家版 2014年9月
『ケンブリッジ帰りの文士 吉田健一』角地幸男 新潮社 2014年3月

 2022.1.10
SESCO 副理事長 深尾幸市

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