NGO SESCO 論考 NO. 10  「幸せ中心社会への転換」を考える 

NGO SESCO 論考 NO. 10

 「幸せ中心社会への転換」を考える 

3月は、「幸せ中心社会への転換」「幸せと教育について」触れてみたい。数年前に小塩隆士『「幸せ」の決まり方 主観的厚生の経済学』を読み興味深かったので大学紀要の書評欄に取り上げた。人々の幸福感、人間の生活は必ずしも消費や所得だけに依存しているわけではない。教育、職業、労働、余暇、結婚、家族、地域、環境など無数の様々な効用を分析対象にしている。

内容は目次に沿って紹介すれば、「つい他人と比べたくなるのが人情―幸せは相対的な概念」「格差社会はやはり嫌いだ―所得格差と主観的厚生の関係」「幸せになれる家族とはー家族関係が左右する主観的厚生」「子供は親を選べない―子供時代の辛い経験の長期的影響」「どう働き、どこに住むか―キャリア・住居環境と主観的厚生」「ショックやストレスとどう付き合うか―所得変動ショック・仕事のストレスと主観的厚生」である。

文部科学省の学生指導要領の改訂では「主体的・対話的で深い学び」とし、主体性は幸福度に大きく影響し、対話により、より良い人間関係を構築することが出来るとしている。

このことを踏まえた上で次に紹介したいのが『実践 ポジティブ心理学 ― 幸せのサイエンス』である。前野隆司は「ロボット研究を続けているうちに、やはり人の幸せのメカニズムを解明したいという思いが強くなり、幸福学を研究することにした。

個人の幸せの研究を行うだけでなく、工学者の立場から、ポジティブ心理学を応用してより良い社会を作るための研究を行うようになった。」と述べている。本文は、ポジティブ心理学を知ろう 幸せのための条件とは? いいストレスは幸せにつながる 日本人のためのポジティブ心理学 実践のためのハッピーエクササイズ ポジティブ心理学をどう社会に生かしていくか と挙げられており、幸せの四つの因子として第一因子「やってみよう!」因子(自己実現と成長因子)、第二因子「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子)、第三因子「なんとかなる!」因子(前向きと楽観の因子)、第四因子「ありのままに!」因子(独立とあなたらしさの因子)とある。

単純ながら「自分の幸福度をテストしてみよう」を試みてみるのも面白い。結果「ほどほどで満足する人のほうが幸せ」「その場を満喫すると幸福度が高まる」「駅までの道のりで感謝してみる」「自己受容できている人は幸せ」「テレビのチャンネルを頻繁に切り替える人は幸福度が低い」「男性よりも女性のほうが幸せな理由」と出てくる。要はデータ解析など色々あるが、「絶対的な真実」は見つからず「私は幸せ」と思える人が幸せということになるのであろう。積善余慶。

参考文献 : 前野隆司 『実践ポジティブ心理学』PHP新書 2019.3

              小塩隆士 『「幸せ」の決まり方 主観的厚生の経済学』日経出版 2014.3

2021.3.10
SESCO 副理事長 深尾幸市

 

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